青木工務店では内装無垢木材の安定確保のために在庫を抱えている状況である。そのやりくりにも大分頭を悩ませている。工業製品のように毎回同じ程度のものが注文すればいくらでも入ってくるというものではない。毎回毎回実際に入荷したものを丁寧に見て検品をする。
調達コストアップから、残念ながら出される材料の質も落ちてきているようでならない。日本は「製品精度要求が高く、その代わり高く買ってくれる」というところから、「うるさいだけで安く買っていく」、「質の良いものばかりかって少々程度の悪いのは置いて行く」と揶揄されている。木材は一本分を出来るだけ使い切ってあげる必要がある。マグロだってトロだけ食べて捨てたらもったいない(他においしいところがいっぱいあるからそうはならないけど)。
安定供給が視野に入った新しい商品が出てきた。かねてから要望していたものだ。クリのフローリング。UV塗装の90㎜幅・ユニタイプ。日本のクリとくらべてタンニンが少なく色は明るい。タモに似ているといわれるが、タモ独特のふの木目が無い。
実加工もはめ込んだ感じが実にしっくりと来る。硬すぎず、柔らか過ぎず。
実加工の断面。突き付け部分の裏側が少し空くことが重要。伸びた時の力の逃げになることと、伸び自体の力を弱める効果を期待する。
縦継ぎのジョイント部分の処理。加工工場の刃物の管理が悪いとここが汚い。この材料はとてもきれいだ。
うっすら見える葉節。Aグレードでもこの程度は許容。普通の人は気にならない。
含水率も計測。11%から12%で平衡含水率であるといえる。
とにかくできるだけ反りや狂い、やせが出ないように気を使うのだ。