彼岸花の咲く季節以降、毎年暮れに掛けて、外装をきれいにして新しい年を迎えたいというお客様が多くいらっしゃいます。家を大切にしていきたいという思いは私たち工務店にとってもうれしいことです。せっかく足場をかけるのですから、建物の状態を目の前で良く見て、他に必要な改修が無いのか、建物全体の専門家としてアドバイスができるように心がけております。
最近は減りましたが、以前は木製の玄関ドアが主流でした。とても丈夫な塗料が使われているのですが、経年による劣化にはかないません。普段の手入れや丈夫さからはこのような塗膜ができる外装用塗料が使用されますが、劣化をしてしまうと一度すべて綺麗にしなければなりません。無垢であれば良いのですが、突板が表面に使われている場合はこの剥離作業で芯の基材が露出してしまう恐れがあるのです。ウッドデッキに良く使われる含浸性木材保護塗料は塗膜はできませんが、耐久性に劣るのでよりこまめに塗る必要があることと、比較的長く塗料の匂いが残ることで室内が不快に感じます。油性塗料(ペンキ)では木目がつぶされ、木製ドアの良さがなくなってしまうことが懸念事項です。
樋も塗られてしまうことがありますが、私はお勧めしません。素材の塩化ビニルは熱による伸び縮みが大きいので、塗料が追従できずにこの様にペリペリと剥がれてしまいがちです。劣化が進んでしまったら、思い切って新しくすることをお勧めします。