大和にある青木工務店社長の日記

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2011年 02月 19日

合わせ梁、重ね梁実験

昨日は富士山木造住宅協会の事業で、合わせ梁・重ね梁の強度実験の立会いで浜松にある静岡県産業部農林技術研究所に行って参りました。
浜松ということでサン工房の松井社長が駅までお迎えに来ていただきました。近々見学会となる竣工直前の立派なお宅も見学させていただいた後、浜松餃子の有名店にてお昼を食べました。
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もやしのあるスタイルではありませんが、野菜たっぷりで美味しかったです。
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ボリュームもたっぷり。松井さんもお腹一杯でした。
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試験概要は主任研究員の池田先生から説明がありました。目的は国産材として産出される材料を有効活用するために、安定確保が難しい梁材を無垢に代える集成材以外の選択肢として重ね梁、合わせ梁を検討します。
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こちらは合わせ梁とします。薄い板を幅方向に張り合わせることで梁の断面を構築します。理論上は幅方向の強度は厚みに比例するので接着剤強度は問いません。中目材の有効活用ということでスギの6寸(180ミリ)です。
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スギはしなやかな材料です。従ってこの様に「くの字」に大きく曲がります。高温KD材のスギは粘らないなんて言われますが、これだけ粘りますね。
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支点から1/3ぐらいの位置で破壊。強度は4キロニュートン強。
6寸では大梁に使用しても9尺はスパンを飛ばすことはありません。6尺おきに大梁を設置するとして、500kg/㎡の床荷重としても2.73×1.82×0.5=2.48。十分です。
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続いて、ひのきの重ね梁です。ひのきは中目材が安定して出るほど太くなっておりませんので、芯持ちの利用前提です。高さ方向は強度に対して3乗の効果があります。一体化とするのであれば、接着精度と強度が最重要となるのです。試験体のせい(高さ)は1尺(300ミリ)です。
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スギに比べて、しなりません。
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破壊。下端の節から流れる木繊維のところが弱点でした。7.5キロニュートン。他の実験では15キロニュートンまで出ておりました。ばらつきが大きいようです。
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接着剤はイソシアネート。住宅の集成材はほとんどがこれです。
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研究所に会った他の試験体にはレゾシノール接着剤のものもありました。こちらの方が私としては安心するのですが。普及のためと材料管理で生産が難しいそうです。JAS(日本農林規格)では、この合わせ梁・重ね梁は製材でも集成材でもないと判断されてしまう部類です。安心して使っていただくために、静岡県の方や確認検査機関の方も立ち会っていただきました。国産材を有効活用するために、地域からこの様な利用を促進普及します。
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私は合わせ梁が好きです。これも天竜材で作ったものですが、無垢のように見えませんか。中目材で取った側の板はきれいな材料が取りやすいのです。
実験の目的以外にも私にとっての収穫は大きいものでした。KD材の破壊の仕方は天燃乾燥のそれと変わらなかった事、接着部分での破壊ではなく、製材自体の破壊であったこと(もともと接着強度よりも木材の繊維割裂強度の方が弱い)、従ってより接着精度が重要であること。日を改めて接着剤不使用の重ね梁も実験することになります。
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お土産はもちろん、「うなぎパイ」です。松井さんおすすめの「あげ潮」というお菓子はマルダイの深沢社長からいただいてしまいました。

by yamato-aoki | 2011-02-19 09:01 | 業界活動 | Comments(0)


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