人気ブログランキング | 話題のタグを見る

大和にある青木工務店社長の日記

teak.exblog.jp
ブログトップ
2009年 10月 19日

京町屋保存

京都2日目、午後は全建連に所属する京都府の団体、京都府建築工業協同組合を訪れました。その中で京町屋の保存・改修に力を入れている葭屋町(ヨシヤマチ)の町屋運営委員会会長の狩野さんと田原さんから活動の御説明をいただきました。
京町屋保存_f0070542_722958.jpg

町屋とは、道路面の間口が狭く、奥行きが長い建物のつくりです。同じような形状の建物が軒を連ね、街を構成しております。レイアウト上、採光条件も悪く、貸家メインであった為ある程度簡易的につくられておりました。
京町屋保存_f0070542_7264451.jpg

京都市内でも手を入れるよりもほとんどが取り壊されていた状況だったため、有志が集まって保存・改修の検討と研修から、実際の工事までが行われるようになった経緯があります。
京町屋保存_f0070542_725175.jpg

改修の手引きや改修技能者マニュアルなどの整備や技能者育成の学校まで作られるようになりました。
京町屋保存_f0070542_7265829.jpg

建物の裏では学生がわいわいと実験の作業をしておりました。
京町屋保存_f0070542_7272446.jpg

これは小舞と土壁で構成した壁の耐震実験の様子です。
京町屋保存_f0070542_7281195.jpg

フネで材料を混ぜて塗ります。
京町屋保存_f0070542_7284580.jpg

熱心に説明をする狩野さん。そこに住む人の熱意がこうやって町の保存に繋がるのだとしみじみ思いました。見せる為の改修ではないので、華美な設備や材料を使用しておりません。そこを少し恥ずかしそうにしておりましたが、私たちは工務店です。実際にお客様の御予算で工事を行うのでそこがまたリアリティがあるのです。
京町屋保存_f0070542_731012.jpg

昔の建物なので基礎は無く束建てです。確かに耐震は心配ですが、建物ごとで繋がっているので心配は少ないのでしょうか。
京町屋保存_f0070542_732780.jpg

道路正面の深い軒を支える梁です。
京町屋保存_f0070542_7324048.jpg

裏を見るとこのように天秤構造になっております。少し掛かった部分がかわいらしいですね。ちなみに天秤を支えている梁をヒトミ梁といいます。名前の由来を尋ねましたら、人が通るところの梁で「人見」だそうです。

by yamato-aoki | 2009-10-19 07:33 | 業界活動 | Comments(0)


<< お昼ごはん      社寺建築 奥谷組 >>